協会認定 重症心身障害看護師へのインタビュー座談会
認定取得のための研修会に参加してどうでしたか?
見山:日本重症心身障害福祉協会が認定機関となっているので、重症心身障害看護に対する専門性の高い看護師の育成を行っている研修だと思いました。専門基礎科目で重症心身障害児施設の変遷と動向医療の現状を改めて学んだり、専門科目では重症心身障害児者の主病態や障害と看護等について深く学ぶことができました。その他看護管理とか看護研究も大変だったけれどとても勉強になりました。
永山:私は重症児者の小さな反応を読み取ることがとても重要だと思っているので、その中でも観察の大切さについて改めて学ぶ機会となりました。
高野:私もそう。重症児者のフィジカルアセスメント。これについてはとても勉強になったと思う。この学びを現場の職員にもっと伝えていきたいと思いました。
見山:重症児者看護ってまだまだ知名度は少ないけれど、研修に出てこんなに重症児者施設で働いている看護師っているんだと思いました。
永山:しかも、意外と重症児者施設での経験年数が長くて、皆重症児者看護の魅力にはまっているっていう感じですよね。研修生同士の情報交換も沢山出来て、やりがいとか苦労していることに共感したりして、自分もがんばろうという気持ちになりました。
高野:全国に重症心身障害児者施設は200施設弱であまり他の施設に行く機会は少ないのですが、他の施設で実習ができたのでとても良かったです。参考になるところもあって勉強になりました。
見山:認定取得後もフォローアップの研修があったり、同期の仲間とは県外の施設でも情報交換ができることもうれしいですね。
なす療育園で看護師として働く魅力、やりがいって何ですか?
見山:この病棟は利用者一人ひとりにじっくり関わる事ができるってことがとてもいいです。同じ支援を繰り返しているうちに、サインがわかったり、変化が感じ取れたりした時に、看護の面白さとかやりがいを感じます。そしてもっともっと利用者のことを知りたいと思うようになっていく。
高野:安楽を追求するということもありますよね。利用者にとって何が苦で何が安楽か観察して読み取ることも大切ですよね。まさに看護の原点があるように思います。
永山:関わりの中で少しずつでも成長できることを一緒に喜べることが嬉しいですね。利用者一人ひとりをとても愛おしく感じます。
高野:本当に。利用者の笑顔はすばらしい。看護している私たちも癒されます。こういう施設で看護師が働く場があることを就職するまで知りませんでした。
見山:なす療育園は、県北唯一の重症心身障害児者施設でこんなにも地域から求められていることを知っている人は少ないですね。最近は濃厚な医療的ケアが必要な方も多くなってきたので看護師として使命感的なものも感じます。
永山:私もです。重度の障害のある方や医療的ケアが必要な方が、こんなに地域で生活していることも就職するまで知りませんでした。医療と福祉が協働しながら利用者を支えるという環境で働けるというところがとても良いです。
高野:「治す医療」ばかりでなく、「支える医療」もあることを多くの人に知ってもらいたいです。
2020年入職看護師へのインタビュー座談会
就職先になす療育園を選んだ理由はなんですか?
三浦:重症心身障害児者看護に興味があったからです。なす療育園は病院とは違い、生活の場でもあるため、一人ひとりの利用者と深く関わることができることに魅力を感じたから。
鈴木:自分はもともと重症心身障害の家族がいるので看護師を目指そうと思った。だから、なす療育園で働くことが夢でもあった。それから療育活動というのも魅力だったかな
就職してどう感じていますか?
鈴木:利用者それぞれが違うってことを痛感している。個別支援って、単に生活を支えるだけでなくて、利用者一人ひとりの生活をより充実させるってことなんだと思う。療育とか日中活動とかそういう時間が予想以上に素晴らしいと感じています。
三浦:私もそう感じている。でも、予想以上に医療的なケアが多いなとも感じている。重症心身障害児者施設にこんなに医療があると思っていなかったから・・だから、良い勉強になっています。
鈴木:それから、利用者との真のコミュニケーションって難しいと感じている。
三浦:そうそう、サインが何を意味しているのか考えるのが難しい。でも、そのサインが理解できた時少しづつ通じ合えている気がして嬉しくなります。そういう時、先輩も一緒に喜んでくれたりして。
鈴木:なす療育園は、先輩との距離がとても近く感じるね。 新人にもとても親切だし、初めて夜勤をやった時もしっかり振り返りの時間をもってくれて指導してもらいました。
三浦:チーム全体で協力し合って業務を行っている感じがありますね。
鈴木:だから、業務はそれなりにハードだけど残業ってあまりないよね。
なす療育園の魅力ってどんなところですか?
鈴木:スタッフや利用者との距離感が近いところかな。それから、利用者一人の笑顔でみんなが笑顔になれるところ。利用者に関わる色々な職種の思いが皆一緒と感じられるところもいいです。
三浦:私は、利用者の成長を日々見ていけるところ。寄り添う看護ができるところかな。それから職員皆がやさしく親切でとても働きやすい職場だと思います。